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4月14・15日の両日にわたり、ワンファミリー仙台主催で開催しましたこれからの支援の在り方を考える研修会。両日とも、認定NPO法人抱樸(ほうぼく)の奥田知志理事長と、同法人ボランティア部の奥田伴子部長を講師にお招きし、参加者同士が自由に意見交換できる熱のこもった研修会となりました。
この日のテーマは「賃金が安い福祉業界で働くことに希望がもてるのか?今後の福祉業界の未来を考える」。
まさに支援員の生活と今後の支援の在り方に関わるかなりセンシティブなテーマで、初日に続き、奥田夫妻を囲んでのぶっちゃけトークありの研修会となりました。
本日も参加者みんなで車座になっての研修会。支援団体創業時と現在との働く意識のギャップ、事業マインドの継承、若いスタッフが仕事を続けられるための工夫といった切り口で、奥田理事長からは以下のようなお話がありました。
■困窮者に関わる際に、目的を持って相談・傾聴・管理・支援を実施する対人援助的側面と、達成目的を特段設けない暮らし・生活面での関わりや対話・会話といった家族機能的側面の双方に重要な意味があり、どちらも欠けてはいけない。
■現在、居住サポート住宅の運用が進もうとしているが、これは法人が事業として取り組んでいくこと。本来、生活に困った人たちに寄り添い、関わり、その人らしい生き方を実現していくという視点から考えれば、当事者が亡くなるまで何らか関わり続けていく「住宅付包括的支援体制」というのが望ましいと思う。
■NPOとしての経営戦略の考え方は、まずは社員全員で経営を考える風土をつくること。NPOの活動は常に新しいものへのチャレンジを続けていくことであり、「新しいものへのチャレンジ」=「先取りと自分たちが新たな事業を作り興していく意識」が大切であり、今までと同じものを次の世代につないで続けていくという発想はナンセンス。
■委託事業は、国の方針次第で今後どうなるか分からない。だから、社員一人ひとりが「自分がこの事業をしている」意識と、「どう稼ぐか」を常に考える社風が求められる。それには、部署ごとに事業にかかるお金の出入りを確認し考えさせるのも一つの手である。
研修に参加した比較的支援歴の浅い職員からは、「今後のことは特に考えていない」「周りの先輩たちに支えられてここまでやってきた」「大変なことも多いし、今後この仕事を続けていくかは正直わからない」等、率直な意見が出ていました。
最後に奥田理事長から、「人間が人間を支えるには限界がある。私たちは神様ではないし、相手を支配できる訳がないので、この仕事をしている限り、最後の最後は『仕方ない』と思えるようにしておくことが大事です。」とのお言葉がありました。
学びと気づきが満載の今回の研修会は、参加者全員の心の中に多くの思いを残して無事閉会しました。
奥田理事長、伴子部長、この度は貴重なお話本当にありがとうございました。