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7月9日から11日の3日間、福岡県北九州市のNPO法人抱樸様の視察研修に行ってきました。
1日目は移動時間もあり、午後から中間部長と藤井部長から、抱樸様の取り組みや「きぼうのまちプロジェクト」の概要、広報活動について説明を受けました。抱樸様では活動を広くPRしているとのことで、広報を通じてボランティア活動など、地域での繋がりのある社会を目指して活動しており、抱樸の方々の思いに感動いたしました。
2日目は午前中に法人の概要についてさらに詳しく説明をいただいた後、奥田理事長が牧師をされている東八幡キリスト教会で、抱樸に関わりながら亡くなられた方々の納骨堂を見学しました。多くのお骨があり、亡くなられても当事者を大切に思い続けて供養している姿に深い繋がりを感じさせていただきました。
教会では互助会に入っているメンバーの葬式も行っているが、入っていない方も一緒に葬式をしているとのことでした。森松専務からは、法人の取り組みについての説明があり、「抱樸」の名前の由来は、製材されていない荒木の状態を抱くという意味で「どんな人でもありのままを受け入れる」という意味が込められているとの説明を受けました。
続いて、抱樸館北九州を見学し、内部の説明を江田常務から受けている最中、入居者さんとお話をする機会がありました。居室内を見せていただいた時、緊急ボタンがあったのでどのように作動するか質問したところ、ボタンを押せば1階の事務室に繋がり職員が駆けつけてくれるし、廊下にもランプが点灯する仕組みになっているので誰かが気付いてくれるありがたい機能であるとお聞きしました。
携帯を持っていない方の連絡方法としての機能や、緊急時に部屋の外に知らせる機能は、ワンファミにもぜひ取り入れたい、とても良い仕組みと学びました。
その他に、施設の中に喫煙スペースも設けられ、タバコを吸われる方への配慮も感じられました。
午後は「きぼうのまちプロジェクト」の建設地の見学をさせていただいたあと、プラザ抱樸にて日常生活支援住居施設(日住)の説明を受けました。同じ建物内に日住と障がい者グループホームの機能があるとのことですが、緊急時はシェルターの役割も担っているとのことです。日住の安否確認について、以前は管理人がおこなう人力の作業だったが、現在は1分ごとに感知するセンサーを設置し、居住サポート住宅が始まるためAIによる安否確認に切り替え中とのことでした。
しかし、ライトで感知する機能をAIに取り込むと、基本生活と入居者の生活に差があるためエラーが出やすいのでいまいちとの説明がありました。実際は、入居者が何かしら相談しに来たりご飯を食べに来たり必ず1日1回は会っているので問題ないとのことでした。
夕方、足早にホームレス自立支援センター北九州と学習支援をしている施設に立ち寄らせていただきました。
ホームレス自立支援センターではハローワークからの出向職員が週5日就労支援を行っているとお聞きしました。
隣の学習支援が行われている建物では、施設の一室を間借りし、大学生の学習ボランティアが一緒に学習支援を行っているとのことでした。私たちが立ち寄った時に、ちょうどおやつの時間だったようで、メロンをカットしていました。
様々な事業所を見学させていただき、抱樸様の行っている支援の多さを目の当たりにしました。様々な制度からそれぞれの分野の視点で、どんな人も漏れない体制を構築していこうとする姿に感化されました。
3日目、互助会のボランティア活動に参加させていただき、世話人の方々とともに作業を行いました。また、世話人会議にも参加させていただき、活動がどのように進められているのかを知ることができました。
ボランティア活動の内容は社会福祉協議会(社協)から届く寄付品の衣類などの仕分け作業でした。互助会費は月500円とのこと。
参加されているメンバー、世話人のかたと直接お話をして、なぜボランティアに参加されているのか、世話人業務を担っているバイタリティーはどこから来るのかを質問しました。過去に自分が世話になり今は衣食住が整っている恩返し、身寄りがない人の気持ちがわかるから、結局は自分の為、など様々な話を聞きました。現場で生の声や雰囲気を体験し、その実情を深く理解することができました。
根本的には、おんなじいのち、おたがいさまという気持ちが活動のエネルギーになっているのだろうと感じました。また、自分の為という理由には、「自分みたいな人間でも誰かの役に立てている」と感じることができるという理由だったので、やはり人間にはそれぞれ、仕事でもお節介でもなんらかの役割が必要なのだと改めて感じる機会になりました。
今回の研修を通して【あんたもわしもおんなじいのち】【困った時はおたがいさま】という抱樸様の想いが人から人へ繋がり、地域やボランティア活動に参加される方々のモチベーションになっていると感じました。
この3日間の研修を通じて、抱樸様がどのように活動しているのかを知ることができ、貴重な経験ができました。今後の入居者との関わり方に活かし、より良い支援ができるようより一層努めていきます。