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特集記事

★被災者も、支援者も、取り残さない。

★被災者も、支援者も、取り残さない。

被災者も、支援者も、取り残さない。

― 被災地の教訓を、次の災害へ ―

 



ワンファミリー仙台では、災害ケースマネジメントを社会に広める活動をしています。
これまで災害ケースマネジメントって知っていますか?と題して、3回にわたり、この取り組みを紹介してきました。

これは、東日本大震災や能登半島地震など、様々な災害の現場で積み重ねられてきた、被災者一人ひとりの生活再建を支えるための実践です。

このたび、その考え方と全国各地の実践知を一冊にまとめた本が出版されました。

そこには、能登半島地震の支援現場で、一人の自治体職員が抱えた苦悩と、そこから得られた大切な教訓も込められています。

この一冊が、次の災害につなぐものとは。
被災地の実践と知恵が、未来に残すものとは。

ぜひ最後までご覧ください。

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「災害ケースマネジメント」を一冊に

今回出版されたのが、菅野拓さんが編著を務める『よくわかる災害ケースマネジメント』です。
災害支援、被災者支援、福祉、住宅、法律、地域づくり、ケースマネジメントなど、それぞれの分野で第一線の実践や研究を積み重ねてきた専門家が執筆しています。

東日本大震災、熊本地震、能登半島地震をはじめ、全国各地の災害対応から得られた経験を持ち寄り、「被災者の生活再建をどのように支えるのか」を多角的に考える一冊です。

【書籍情報】
『よくわかる災害ケースマネジメント』
 ・編著:菅野拓
 ・企画:NPO法人ワンファミリー仙台・NPO法人YNF

 ・出版社:中央法規出版株式会社
 ・価格:2,750円(税込)
 


 ▶書籍の詳細・販売ページはこちら

災害ケースマネジメントとは

災害ケースマネジメントは、単に被災した住宅を復旧したり、利用可能な制度を紹介したりするだけの支援ではありません。
被災者一人ひとりが抱えている住まい、仕事、福祉、医療、家計、家族関係、地域とのつながりなどを総合的に把握し、本人がどのような暮らしを取り戻したいのかという希望を起点として、必要な制度や専門職、支援機関を組み合わせ、生活再建まで伴走していく取り組みです。

被災地では、制度を知り、自ら相談窓口まで来られる人だけが被災者ではありません。
制度を知らない人、自らSOSを出すことが難しい人、高齢や障害、病気、経済的困窮など複数の課題を抱え、どこに相談すればよいのか分からない人もいます。

だからこそ、支援する側から出向いて一人ひとりの状況を把握するアウトリーチが必要です。
そして、把握した課題を一つの機関だけで抱え込まず、行政、社会福祉協議会、福祉・医療専門職、法律職、居住支援法人、NPO、地域住民などが連携して支えることが重要になります。

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家が直るだけでは、生活再建できない

ワンファミリー仙台は、東日本大震災後の仙台市における被災者支援を原点として、生活困窮者支援等で培ってきたノウハウを災害支援にいかしてきました。

令和6年能登半島地震では、被災高齢者等の状況把握、みなし仮設住宅等への訪問、住まいの確保に向けた居住支援などに取り組んできました。
現在も、いしかわ被災者支援センターの運営を通じて、行政、社会福祉協議会、専門職、居住支援法人、NPOなどをつなぐ支援を進めています。

この本では、こうした能登での実践も含め、「被災者を既存の制度に当てはめる」のではなく、「その人の生活再建に必要な制度や支援を組み合わせる」という考え方を大切にしています。

また、住宅を単なる建物として捉えるのではなく、安心して暮らせる住まいを基盤に、福祉、医療、就労、家計、地域とのつながりを再構築していく居住支援の視点も大切にしています。
家が直った、仮設住宅に入った、公営住宅に移ったということだけで、その人の生活再建が終わるわけではないからです。

<参考>石川県での被災者支援事業のご紹介

被災者の暮らしをもう1歩前へすすめる

▶石川県被災者生活再建支援事業サイト
 (いしかわ被災者支援センター)

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被災地で得られた知恵を、次の災害へ

そして何より、災害ケースマネジメントは、災害が起きてから突然始められるものではありません。
平時から危機管理、福祉、住宅、医療、司法、社会福祉協議会、NPO、居住支援法人、地域住民などが分野を越えて顔の見える関係をつくり、災害時に一緒に動ける仕組みを地域の中につくっておく必要があります。

この本につながる取り組みも、JPF(ジャパン・プラットフォーム)の休眠預金等活用事業を通じて進めてきた災害ケースマネジメントの実践・普及事業の蓄積から生まれました。
被災地で得られた教訓を、その被災地だけの経験として終わらせず、次の災害に備える社会全体の知恵へと変えていく。

それが、この本の出版の大きな目的です。

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全国での実践を、一冊に

今回の本には、一つの組織、一つの専門分野、一つの被災地だけの経験ではなく、全国各地の災害対応から得られた経験が集められています。

その中心となったのが、災害ケースマネジメントの研究と実践の双方に長く関わってきた大阪公立大学の菅野拓さんです。
そして、様々な分野の第一線で実践や研究を積み重ねてきた専門家の皆さんが、それぞれの知見を持ち寄りました。

災害のたびに現場で積み重ねられてきた経験を、一冊の本にまとめる。
それは、次の災害で誰かが一から悩み直さなくてもいいようにするためです。

そして、災害ケースマネジメントを一部の専門家だけのものにせず、全国の自治体や支援者が学び、実践できるものにしていくためでもあります。

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この本の、もう一つの出発点

ここまで、この本がどのような考え方から生まれたのかをお伝えしてきました。
しかし、この本には、もう一つ大切な出発点があります。

令和6年能登半島地震の被災地、輪島市。
そこで自治体職員として被災者支援の最前線に立っていた、元輪島市職員の羽村龍さんの経験です。

災害が発生すると、自治体職員には、それまで経験したことのない膨大な業務が一気に押し寄せます。
住まいを失った人。
家族を亡くした人。
介護や医療を必要とする人。
生活の見通しを失った人。

その一方で、災害救助法をはじめとする様々な制度を理解し、行政内部や関係機関との調整を進めなければなりません。
正解が見えないなかで判断を続け、被災者の人生に関わる仕事を担うことになります。
羽村さん自身も、そのような厳しい状況の中で被災者支援に向き合ってきました。

そして、その経験を振り返るなかで、こう語りました。
「あの時、このような本が手元にあれば、自分は市役所を辞めずにすんだのではないか」
この言葉は、今回の書籍をつくる大きな動機の一つになっています。

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被災者を支える人も、孤立させない

この本は、単に制度や支援手法を解説するだけのものではありません。
次の災害で、被災者を支える行政職員や支援者が一人で悩み、抱え込み、「自分はどうしたらいいのだろう」と孤立しないための本でもあります。

被災者を支援する人を支えることもまた、災害ケースマネジメントには欠かせない視点です。
あの時、この本があれば」という悔しさを、次の災害では繰り返さない。

この本が、災害ケースマネジメントを初めて学ぶ人の入口となるだけでなく、
災害が発生したとき、机の上に置き、迷ったときに開くことのできる一冊になってほしい。

そして、被災者だけでなく、被災者を支える自治体職員や民間支援者も孤立させず、
全国各地に「誰一人取り残さない被災者支援」の仕組みを平時から根付かせていく。
そのために、この本があります。

『よくわかる災害ケースマネジメント』を、ぜひ手に取っていただければと思います。

【書籍情報】
『よくわかる災害ケースマネジメント』
 ・編著:菅野拓
 ・企画:NPO法人ワンファミリー仙台・NPO法人YNF

 ・出版社:中央法規出版株式会社
 ・価格:2,750円(税込)
 


 ▶書籍の詳細・販売ページはこちら


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この事業は休眠預金を活用した公益民間活動として、助成金を受けて実施しています。
・実行団体名:NPO法人ワンファミリー仙台、NPO法人YNF
・事 業 名:被災地を中心にした災害ケースマネジメントのOJTおよびOFF-JT研修事業
・指定活用団体名:一般財団法人日本民間公益活動連携機構
・資金分配団体名:特定非営利活動法人ジャパン・プラットフォーム

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